ライトブログ

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犠牲の上に成り立つ快適

昨日、何かいいカーペットはないかと思い、カタログを見ていた。

2/24の更新「退化という進化」で、模様替えに失敗したことを書いた。
実は、この模様替えの出来具合に合わせて、オーダーでカーペットを注文しようと
考えていた。まあ、失敗したので、結局買わなかったけど。
模様替えをどうするか、今すごく考えている。

私は、1Kのアパートに住んでいる。部屋はまったくもって広くない。
その中で、一人暮らしをすることに必要なすべてのものを整備しなければならない。
具体的にいえば、テレビ台・パソコンデスク・ベッド・テーブル・タンス・カーペット
などが私の場合挙がってくる。

それを、6畳の部屋に置くときに、どのようにおいたら最適な配置なのか。

これが私に課せられた模様替えにおける命題だ。
もちろん、ここには制約条件がある。
テレビだったらアンテナ線・電源が必要だし、タンスだったら引き出せる空間が必要だ。
それだけじゃない。制約条件以外にも、「ベッドの隣にはテレビがあるといいな」
というような希望要件があるだろう。

それらの制約条件・希望要件をクリアしながら、自分にとって一番良い(使いやすい)配置を
見つけることが、最終的な目標になっていく。


自分にとって一番いい配置(制約条件・希望要件すべてを満たす配置)が
すべての家具において実現できるだろうか。
これは限りなく不可能だろう。
なぜならば、部屋の広さは限られているし、家具を捨てればその家具に載って
いたものはどこに行くのかをまた考えなければならない。
自分の部屋に合うように作ってもらえれば最高だが、コストがかかりすぎる。

もし、自分にとって一番いい配置がすべての家具において実現できたら、
これほどいいものはないだろう。希望に100%沿ったことになるのだから。

ただ、多くの場合、こうはいかないはずだ。
何か1つ以上、実現できないものがある配置をすることになるだろう。

私はその時、「この配置で実現した快適は、この配置で実現できなかったある快適の
犠牲の上に成り立っている
」 と思うのだ。

具体例になるかどうかは分からないが、私の今回失敗した模様替えの例を
挙げてみよう。

私の部屋における希望要件は、以下の通りだ。
  ①テレビとパソコンは同じ壁に向かって配置される。
  ②動線をふさぐ配置でないこと
  ③納戸から荷物を取り出すときに障害がないこと
  ④タンスのすべての段が引き出せること
  ⑤部屋に人が来たときに、こたつテーブルに4人座れること
  ⑥タンスの隣にパソコンデスクが置けること。
  ⑦PC使用時に椅子がスムーズに引き出せること
  ⑧ホワイトボードが使えること
  ⑨窓をふさがないこと
このくらいだろうか、細かいものは説明すると長いので割愛する。

模様替え前の配置では、以下の要件が満たされていた。
  ①・②・④・⑦・⑧

模様替え後の配置では、以下の通り。
  ②・③・④・⑤・⑥・⑨


満たされている数だけでいえば、後者の配置のほうが有利だろう。
ただ、問題は実現できなかったことの数じゃない。それが自分の生活に
与えるマイナス度がどのくらいになるか
だ。
私が模様替えで失敗したと言ったのは、①と⑧が実現できなかったことが
起因している。ほかの、③・⑤・⑥・⑨の希望要件よりも、①・⑧の要件を
実現した配置のほうが総合的に見た快適度は高いのだ。


すべてがうまくいく、自分の思い通りの配置ができることが限りなく不可能な
中で、最高の快適度を実現する配置を見つける
ことが、模様替えにおいて
求められることの一つだ。
それを見つけるためには、自分が挙げた希望要件のうち、何個が実現できるか
という数ではなく、その先にある快適度という質の目線で見ることが必要
だと私は思う。
これは模様替えに限らない。議論でも、家を探すときでも同じだ。

これから一人暮らしの準備をする人もいるだろう。
部屋を見るときには、数より質でみることが重要だと思う。すべての希望要件を
満たす部屋を探したら、家賃が高くなってしまうだろう。借りられなくなる。
要は、希望要件の中で、順番を作っておくこと(これだけは譲れない、これは譲歩してもいい)をすれば、家賃という制約条件の中で、よい物件を見つけることが
できると私は思っている。


こういうことを、ちょうど1年前、高校の卒業式をしていた私はまだ知らなかった。