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9月と12月の比較

あと2日で2月も終わり、決算が近づいてきました。 3月に入ると、決算に関する情報の収集を行い、決算に備えることになります。 大学生になって一人暮らしをして初めての年度決算ですので、比較できる データがありませんが、良い決算を発表できるようにしたいですね。

さて、この3日間を使って9月末の中間決算(2Q)と、12月末の決算(3Q)を 比べていたのだが、あることを発見した。 それは、「利益が減っているのに、フリーキャッシュフローが増えている」 ということ。

これまでの会計期間においては、「利益はあるがキャッシュになっていない」 ということが多かったが、今回はその逆の現象が起きているのである。

もともとPC環境などの固定資産が多く、減価償却費が多いこと、 固定資産を廃棄する際の固定資産除却損が多いなどが私の財務上の 大きな問題の1つではあったのだが、それでも利益は確保できており、 当期純利益がマイナスになることは2010年の6月~9月の3カ月だけだった。

10月から12月までの間に、このような現象が起きる理由があるはず。 そう思い、9月・12月末の損益計算書より、10月~12月の3カ月だけの 差分損益計算書を作成してみた。

設定されている勘定科目は、策定している会計基準によるものなので、 実際の企業会計で用いられているものとは違うものがあるので、気にしないでください。 また、一部の差分行の計算がおかしいところがありますが、四捨五入の影響です。

これを作ってすぐに驚いた。 営業利益・経常利益・当期純利益すべてがマイナスになっているのである。 なぜなのか。 まず、この3カ月で異様に増加した科目をピックアップしてみよう。

①販売費および一般管理費 ・交際接待費 ・消耗品費 ・新聞図書費

②営業外費用 ・医療費

③特別利益 ・受贈益

このぐらいだろうか。この先は、この5つの面を分析してみようと思う。

このような表を作った。これは、10月~12月の取引記録より、 上記の5つの科目を、現金取引・非現金取引別に金額を集計したものである。

まず、交際接待費。 仕訳を集計すると、すべて現金により支払っていることが分かった。 すなわち、 利益↓  キャッシュ↓ の効果となる。

次に、新聞図書費。 これも同じように、現金取引によるものだった。 すなわち、 利益↓  キャッシュ↓ の効果。

医療費。同上。 すなわち、 利益↓  キャッシュ↓ の効果となる。

受贈益。この勘定は、現金以外の物をもらったときに計上する特別な勘定である。 すなわち、 利益↑  キャッシュ→ の効果となる。

消耗品費。これを最後に残したのは、さらなる分析が必要だと考えたからだ。

策定した会計基準においては、 消耗品費は消耗品勘定の60%×経過月数/12を償却して求める ことにしている。

消耗品勘定を分析してみることに。

共通する9月までの計上額を見ると、2Qで償却額は18千円、3Qでは27千円 となり、償却額は9千円増加しています。

10月~12月の計上額をみると、20千円となり、3Qにおける償却額は9千円。 これは2Qには計上されないので、0となり、償却額は9千円増加。

合計すると、2Qの消耗品費は18千円、3Qの消耗品費は36千円となり、 3カ月で消耗品費が倍になっていることが分かります。 これは、利益↓ キャッシュ→ の効果を生み出します。

じゃあなぜキャッシュは減らなかったのか。 答えは、10月~12月中の消耗品の購入方法にある。 9月までは、現金により購入する方法が100%だったが、10月より、 代理で購入してもらう方法を導入し、後で代金をまとめて支払うことに。 この方法によって取引した額が6千円あったので、実際に現金で購入したのは 14千円ほどにとどまることになる。 すると、未払金の支払いにより現金が減るより前に、消耗品費として費用に 計上されてしまうことが起きる。 これは、利益↓ キャッシュ↑ の効果になります。

すべてまとめると、次のようになる。

一番下の12月決算と9月決算の比較が、その上までの6行による効果を 合計したものだ。

<12月までの恒常トレンドとは> 12月までの決算を見て、財政状況が良くなる方向にいるのか、そうでないのか を見ることを意味している。 (「トレンド : Trend」という単語には、傾向・趨勢という意味がある)

今回は、利益が出ているときは↑、損失時は↓を示す利益トレンド、 キャッシュ(フリーキャッシュフロー)がプラスのときは↑、マイナスのときは↓を 示すキャッシュトレンドを設けた。 12月までの決算をみると、利益が出ていること、フリーキャッシュフローが増えて いることは分かっているので、どちらも↑となる。

これらの要因の結果、冒頭に述べた、 「利益が減っているのに、フリーキャッシュフローが増えている」 という事態が起きたのだろうと考えられる。

編集後記 謎は解明できたが、2月が終わろうとしているこのときに、3月の経営・財務計画 を見直す必要性がでてきてしまった。