ライトブログ

どれかキーを押すと,続行します.

おでんにおける満足度逓減の法則

皆さんはおでんをよく食べるであろうか?

今ではコンビニでほぼ年中買えるようになった。
おでんをやってない時期のほうが少ないんじゃないかというぐらい。

大学2年から約3年間、様々なお客様を招いて料理を出してきたが、
私は一回もおでんを出したことがない。
というよりも、出さないほうがよい。と思っている。

今回は、上のようになったわけをここに書こうと思う。

私がおでんを作らない理由は、3つある。
1.大量調理が前提であり、コストがかかること
おでんを作るときに、1人前で作る人はあまりいないと思う。
基本的には、2人前以上、場合によってはそれ以上で作るのが一般的なはずだ。
(おでんの具のセットは2人前~が大半)
何人分で作るかが変われば、それに応じてコストも増加していく。

そして、おでんの場合、具材がいくつも必要になる。
具材がいくつも必要になるということは、それだけの具材を買う必要がある
ということになる。
ただ、おでんの具材(たとえば大根)を2つ作るときに、その分の大きさの
大根を買うことができるであろうか?
スーパーに行って大根を見ても、大抵1本か1/2本で売られているはずだ。
おでんの大根を2つ作りたいだけなのに、1/2本の大根を買う必要が
あることになってしまう。(1/2の大根はg単価でみれば1本より高いし)
残った大根をほかの用途で使うことが必要になってくる。

おでんの具のセットは、加工賃が入っているため基本的に高い。
これはコストに影響する。

おでんを作る場合、
①大量調理が前提なので、コストも増えやすい。
②いくつもの具材を用意する必要があるため、よりコストが増える。
③コストを抑えつつ必要な量のおでんの具を購入することは難しい。
この3点から見て、おでんはコストを食う存在と言えるのではないかと
思っている。
(一度やってみようと原価計算をしてあきらめた)

コストがかかれば、それだけほかの料理の質・量・品数に悪影響を及ぼす。
会費に反映すれば話は変わるが、会費が高くなるのはできるだけ防ぎたい。

2.具材によって人気が著しく違うこと
おでんは、具材によって人気度が著しく異なる料理の1つだといえる。
詳しくは読者の方に調べてもらいたいが、大根の人気(需要)を100とした時、
はんぺんは25しか需要がない。

具材のチョイスを間違えれば、せっかく高いコストをかけて作ったおでんも
持て余してしまうことになる。特に単価が高い食材が不人気だったときは
最悪だろう。

高いコストがかかっているものが持て余されているのは、作った側としても、
会費を払った側としても不利益でしかない。


3.満足度が逓減していくこと
私がおでんを作らない最たる理由はこれである。
満足度が逓減していくことである。
「逓減」って言葉は経済学で出てくるやつです。
限界効用逓減の法則とか。まさにこれの話。

1.で、おでんは大量調理が前提であり、コストがかかることを示した。
同時に、高いコストがかかることは、ほかの料理の質・量・品数に影響する
ことも示した。

お客様が高い満足度を感じるためには、その中でも品数が重要になってくる
と私は考えている。

同じコストをかけて作るなら、量よりも質、質よりも品数となるのではないかと
考えている。

その理由は、満足度が逓減していくことにある。
 
 このグラフは、量(横軸)が増えた時の満足度(縦軸)の変化を示した
ものである。
1つの料理の量が増えれば増えるほど、満足度は上がるが、満足度の増加量
は小さくなる
ことになる。

満足度は、その料理が登場したとき、その料理を初めて一口食べた時に
最大増加となるはずだ。それ以降(二口目以降)は食べた量に応じて逓減していく。
満足度は対コストで徐々にパフォーマンスが低下して割に合わなくなってしまう。
※満足度コストパフォーマンス=その時の満足度・食べた量/その量を作るためのコスト


たとえば複数ある料理のうち、料理1の満足度は、以下の式で表すことができる。
好感度をL(好きではないを1とし、好きを10とした時の値。ふつうは5とする。)、
料理1の量をq1、料理1の好感度平均をL1、参加人数をnとする。
√q1÷n×L1 (すべてルートの中)
この式は、料理の量q1を、参加人数nで割り、1人あたりの量を導く。
その後、その料理に対する好感度平均を掛ける。
ただし、これは逓減していくものなので、すべてを√でくくる。

この式で、料理1に対する1人あたりの満足度を求めることができる。

そして、総満足度CStは以下の式で求められる。
料理の品数をmとする。
CSt = n(√q1÷n×L1+√q2÷n×L2 ・・・ +√qm÷n×Lm)
ここで、q1は料理1の量、L1は料理1の好感度平均を示す。
これが料理数mまで続くため、上のような式になる。

また、これを総会費額fn(会費f×参加人数n)で割ることにより、
総満足度のコストパフォーマンスを図ることができる。

総満足度コストパフォーマンスCStCP = CSt×100 ÷ fn
(100を掛けるのはCStCPの値が小さくなりすぎないようにするため)

総満足度と、総満足度コストパフォーマンスができるだけ向上するような
料理を提供していくことが重要になる。

この式に基づけば、大量調理を必要とするもの(おでんなど)を作り量を稼ぐより、
品数を多くしたほうが満足度が高くなると考えられる。

これがおでんを出さない理由だ。

ここまで駄文な記事を読んでいただいた読者様には
とても感謝したい。

1年前ぐらいに書いた、「角煮曲線」と同じような匂いがする。
すべてを数字と理論で理解したい性分なので、これからも時間があれば
こういう記事を書いていく だろう。