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道をひらく

買い物の途中で、近くのセブンイレブンに立ち寄った。
雑誌をちょっと見ようかと思って見ていたが、そこにセブンイレブン
お勧めの本というコーナーがあった。
そこを見ていると、松下幸之助の「道をひらく」が置いてあった。
とうとう480万部を突破したようだ。

今回は、この本を紹介しようと思う。

私のこの本との出会いは、高校1年の春休みのころだった。
水戸に出かけていたときに立ち寄った本屋にて購入したものだ。


松下幸之助と聞いて、知らない人はほとんどいないだろう。
パナソニックの元の名前の、(松下電器)の創業者である。
「経営の神様」と呼ばれ、たぐいまれな能力を発揮した彼は、
GHQによる制限会社の指定と闘いながら、この本を発売する
きっかけとなる、PHP研究所を立ち上げた。

この本は、この研究所の機関紙「PHP」の裏表紙に連載されてきた
短文の中から、121編を選んでまとめたものである。
発売は昭和43年(1968年)。発売してから今年で45年にもなる。
一般的なビジネス書は、そのビジネスがどうやって成功するかだけを
取り上げているが、本書は、短編集ながら、人の生き方についても書かれており、
松下幸之助の生き方や世の中の見方がにじみ出ている
と感じる。
大ベストセラー(ロングセラーと言った方がよいか)となっているのは、
この点が大きな要因ではないかと私は思う。



私は2010年の3月に買ったが、今でも大切に保管している。
私は本があまり好きではなく、進んで読む方ではないのだが、この本だけは、
時折読み返すほどだ。私にとってみれば、生き方のバイブルだ。

表紙に、「自分だけしか歩めない大事に道ではないか
自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか
と書かれている。私はこの文字を見るたびに、身体がしびれる
ような感覚に襲われる。

裏表紙には、こんなことも書かれている。

他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、
道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。
心を定め、懸命に歩まねばならぬ。
それがたとえ遠い道のように思えても、
休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。
深い喜びも生まれてくる。


この世界に生きている私たちそれぞれに与えられた変えようのない「道」がある。
うまくいくときもあれば、そうならないときもある。ただそこで、他の人の道を見て
嫉妬したり、憐憫に思ったりしていても何にもならない。大事なのは、人のことに
動揺せずに、しっかりと心を構えて懸命に生きていくことだ。


現代は、インターネットやSNSの浸透により、人の情報がすぐに手元に入ってくる
ようになった。その中にも、うまくいっている人、そうでない人がいる。
こういう世の中では、自分と人との差を感じて、「自分なんて」と思い、
精神を病んでしまう人が多くなる。
自分に入ってくる情報を制御するのはとても難しい。
他人を変えるのと同じことをしようとしているのだから。
自分で制御できるのは自分しかいない。この本を通じて、私はそう思った。

この本は、一過的に読むものではない。時折、自分の人生のハイライトとして
読むのをお勧めしたい。自分の心を正常に保つための処方箋となるだろう。
まだ読んだことのない人すべてに読んでいただきたい。
特に、10代、20代の人たち。この本を読めば、目指すべき人生の方向性や、
持つべき心を学べるはずだ。

道をひらく/PHP研究所
¥914
Amazon.co.jp


本にコストパフォーマンスを求めるのはあまりよい事ではないと思うが、
この本は安いのにとても素晴らしい。
私は松下幸之助を尊敬する人として挙げているので、信者的な記事になってしまって
いるかもしれないが、是非手にとって読んでほしい。