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どれかキーを押すと,続行します.

Ergonomic Natural Desktop 7000 WTA-00014

マイクロソフトのキーボードを使い始めて約半年になる。 今回は、長期レビューを書くことに。

商品はこちら Microsoft Ergonomic Natural Desktop 7000 (WTA-00014)

2012年の8月の終わりごろに購入。 前は、キーボードにロジクールのK270、マウスにエレコムのM-D21DL シリーズを使っていた。 当時、小栗旬が出演していたリッチマン、プアウーマンというドラマで、 これと似た製品が使われていた。(テーマがITベンチャー企業だったし、 撮影場所が日本マイクロソフト品川オフィスなので、マイクロソフト 自身の宣伝にもなると思ったのかな) それを見ていた私は、使いやすいのか甚だ疑問だった。 しかし、だんだんとあのキーボードが妙にかっこよく感じてきて、 キーボードを買い換える予定なんてなかったのに 、買ってしまった。 (今思えば、あれは小栗旬が使っているからかっこいいのであって、 一般人が使ってそうなるものではない) 価格はAmazonで8,790円だったような。

個人的には、キーボードとかマウスとかに妙なこだわりがあって、いろいろな物を試してきたと思う。 キーボードは、当たり前だが打ちやすいこと、打っていて疲れないこと、 テンキーがついたフルキーボードであること、ワイヤレスであることなどの 条件をクリアした製品を使ってきた。

マウスは、イヤレスであること、読み取りは1,000dpi以上、5ボタン以上(左側に 進む・戻る)が必要、横スクロール対応など、これもまた条件が多い。

それで行き着いた製品が、この製品となる。

前にも、似たような製品を使っていた。 ロジクールの、Cordless Desktop MX5500 Revolution MX-5500 だ。 これも非常に使いやすいのだが、Fキーが小さいことや、充電の度に 充電器を出さないと充電できないなど、不便さがあった。 充電が煩わしいことがだんだん嫌になって、買って1~2ヶ月で売ってしまった。

さて、話を元に戻そう。 キーボードは、大体こんな感じ。 単三電池2本で動作する。

このキーボードは、商品名に、Ergonomic (エルゴノミック:人間工学) と題するだけに、人が使いやすいようなデザインや機構を持っている。 キーボードはT/Y、G/H、B/Nの間が広がっており、キーボードを打つ時の ホームポジションにおける右手のブロックと、左手のブロックで分かれている。 さらに、中央に向かって、キーが斜めに配置されている。 人の腕は、まっすぐにのばしているよりも、少し内側に向けている方が 楽であるのがこの形の由来だろう。

さらに、上の写真は、上方向から撮っているから分かりにくいかもしれないが、 手前の方がせりあがった形となっている。 普通のキーボードでは、奥に行けばいくほど高さが上がっていくが、 これだと手に余計な力が入るため、疲れるらしい。 それがこのキーボードだと、手首がパームレストに乗ってしまうので、 疲れづらくなるというものだ。

そして何より、このキーボード最大のメリットは、一番打ちやすいスタイルを 選べるという点であろう。 ①手前のパームリフトをつけた状態。

パームレストの下にあるのが、パームリフトだ。 これがあることにより、手首の位置が上がる。 パームリフトはこちら。

このパーツを、キーボード裏手前の穴にセットする。

②パームリフトを取り外した状態。

この状態だと、手首の疲労を和らげる効果は薄くなるが、普通のキーボードとの 差は小さくなると思う。

③キーボード裏の奥についているつめを上げた状態。

これが一番普通のキーボードに近いだろうか。 使っていても、手首が上方向に上がるため、力がいるのがわかる。

購入後、いろいろなスタイルで使ってきたが、私の場合、最終的には①の スタイルで落ち着くことになった。

さて、ここからはキーボードの基礎的なスペックについて話そうと思う。 まず、キーストロークについて <キーストロークとは> キーボードのキーを打った時の深さ、打鍵感のこと。これが自分に合わないと、 腱鞘炎などを引き起こす原因となる場合がある。

キーストロークの深さは約5mm。打鍵感は、柔らかく感じる。 普通のフルキーボードのキーストロークは約4mmなので、あまり違和感は 感じないはず。ただ、ノートPCのパンタグラフ式キーボードや、近年流行している アイソレーションキーボードなどを使っている人にとっては、かなり打ちづらいはずだ。 個人的なものかもしれないが、このキーボードを使い始めてから、打鍵時の力が 強くなった気がする。これのおかげか、他のキーボードを使うとき、スマートフォンの 画面をタップするときの力も強くなった感じがする。

キーピッチについて <キーピッチとは> キーの大きさのこと。あるキーの中心から、その隣のキーの中心までの長さを指す。

このキーボードの場合、キーの大きさが部分によって違うので、決まった値が 出せないが、最小(A-S間)は19mm  最大(R-T間)は25mmとなっている。 個人的には、悪くは感じていない。 ただ、Enterキーが若干小さいのは、気がかりである。間違って 」キーやDeleteキー を押下することがいまだにある。ここは改善点だと思う。

ホットキーについて <ホットキーとは> 温かいキーのことではない。

ボタンを押せば、そのキーに関連付けられているファイルやプログラム、処理動作 などがすぐに実行できるようにされたキーのことだ。 ノートパソコンなどでは、キーボードの奥側にある「Internet」とか、「メール」とか、 「音量+、-」などが該当する。

このキーボードでは、以下のホットキーを備えている。 ・ホームキー  ・・・  ブラウザが立ち上がる ・検索キー  ・・・  検索ウィンドウが立ち上がる ・メールキー  ・・・  メーリングソフトが立ち上がる ・ユーザー設定キー  ・・・  キーボードとマウスの設定をする専用ソフトウェアが立ち上がる ・1~5キー  ・・・  設定により自由に割り当てられる ・ミュートキー  ・・・  音量のミュートのON/OFF ・音量-キー  ・・・  音量を下げる ・音量+キー  ・・・  音量を上げる ・再生/一時停止キー  ・・・  対応するソフト(WMP?)で操作可能 ・電卓キー  ・・・  Windows標準の電卓が立ち上がる。

以上のホットキーを備えている。かなり盛りだくさんだ。 さらに、キーボード中央にはズームイン、ズームアウトができるスイッチ、 その手前には戻る、進むボタンが付いている。

マウスについて

マウスは、非常に独特な形をしている。 大きさとしては、成人男性の握りこぶし並はあるだろう。 握ってみると、何とも言えないホールド感に苛まれる。 マウスも、単三電池2本で動作するが、これがとても重い。 iBuffaloやELECOMのマウスも電池を使うものはあるが、単四電池2本 だったり、中には1本のものもある。マウス自体の重さ+単三電池2本 となるので、とても重い。

専用ソフトウェア Microsoft マウス キーボード センター について 添付のCDのドライバをインストールするときに、同時にインストールされるソフト。 画面はこんな感じ。 キーボード編。

マウス編。

各写真とも、端が切れているのは、スクリーンショットの問題ではなく、 こういうデザインらしい。よくわからん。 このソフトを使えば、各キー・各ボタンに割り当てる機能をある程度自由に変更できる。 私は、マウスに進むボタンを割り当てたぐらいで、他は何もしていない。

総評 普通のキーボードから見ると、何だこれはって思うようなもので、とても使おう とは思えないだろう。 (一部の人たちは、こういうキーボードを、「変態キーボード」と呼ぶらしいw) 私自身も、購入してから1週間程度でようやく慣れてきた。(マウス含め) そして半年経った今言えることは、このキーボードとマウスはいい。 これは自信を持って言える。 ただ、学校のPC、ノートPCなど、普通のキーボードを使う機会は絶対にある。 こういう「変態キーボード」を使う人は「普通のキーボード」 も使えないとやっていけない のも事実だろう。 結論としては、「よい買い物」だった。

現在、kakaku.comでもAmazonでも取り扱いがない状態が続いている。 どういう状態かはよく分からないが、キーボードのプロダクトライフサイクル上、 衰退期の終わりを超えたラインにいる製品だったのかもしれない。 個人的には、実に残念だ。

編集後記 コンピュータとそれを操作するユーザーの間にある入力デバイスは、 HID(Human Interface Device:ヒューマン インタフェース デバイス)と呼ばれる。 人がそれぞれ個性を持つように、その人の体がある。 この製品も、私のようにフィットする人がいれば、まったく合わない人もいるだろう。 いくらエルゴノミックを謳っても、それは「多くの人の調査データから見える傾向」 であって、全員がそうではないというわけだ。 ただ、その個人個人に合わせてデバイスを作っていたら、コストもかかるし、 手間もかかるし、さらにはそれを使用するユーザーは毎回それを持ってなければ 使えない。これは非常に不便ではないか。 だからこそ、「普通のキーボード」が生まれたのだろう。それが今、標準となっている。 そういうなかで、ある意味「キワモノ」的なポジションで、出てきたのが、 こういうものだ。

HIDは、人によって評価は真っ二つに分かれます。 現在は、いろんなものが販売されているので、「普通」に縛られずに、 「キワモノ」に手を出してみるのもいいのではないでしょうか。