ライトブログ

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FUJITSU AH42/G

ここ2カ月、学内の団体のイベント、新しい役員の決定とかで、
非常にバタバタしていて、ブログの更新ができませんでした。

これまで2つのポストの仕事だった自分の肩書きは5つのポストの仕事になり、
なんだかよくわからない状況になってきましたw

そんな状況が続いて、今日、ようやく冬休みに入って、水戸に戻ってきたので、
ブログを再開します。

復帰後最初の記事は、12月上旬にあったPC修理の話から。

11月の中旬ぐらいに、友達から、「パソコンが起動しない」とか、「画面が途中でとまる」
という相談を受けていた。
月の終わりに、ちょっと時間が空いたので修理を引き受けることに。

FUJITSU AH42/G
富士通の2012年春モデルのPCだ。


さっそくつないで、起動させてみる。

BIOS画面を通過、「Windowsを起動しています」の画面。
いつまで経ってもログオン画面に行かない。HDDアクセスインジケータは
ものすごい勢いで点滅している。っていうかHDDから変な音が
する。
「 あっ・・・(察し) 」

案の定、5分待ってもWindowsは起動しなかった。
この時点で、依頼者に重要なデータがあるかを確認。
そういうのはないと返事をいただいたので、エラーを確認することに。

起動時に、F8キーを連打して、スタートアップ修復を選択。
起動するかなと甘い期待を抱いたが、そんな訳もなく、
Windowsブートマネージャが、I/Oエラー 0xc00000e9
を報告してきた。
I/Oエラーなので、デバイスとの通信ができていないことを示す。

そんなチェックをしているときに、富士通のハードウェアチェックツールが
PCに内蔵されていることに気づく。さっそく動作させてみる。
どうやら、CPUと、メモリとハードディスクのみを診断するらしい。
PanasonicのLet's noteみたいに、全パーツを検査するわけではないようだ。

検査の結果、
エラーコード:00420004 診断結果:ハードディスクに機械的
トラブルの可能性があります。

と表示された。


原因はHDDと確定。(異音の段階でそうなんだけど)
これが今回壊れたHDD。

東芝のMK6475GSX。640GBのモデルだ。
しかし、ずっと思うが、なんでメーカー製のPCってやたらめったら大容量の
HDDを積みたがるのだろう。SSDのほうが需要ある気がするんだが。
まあ、それはおいといて、HDDの物理的障害の修理は一般人じゃできないので、
これは交換しかないと連絡。
ちょうど、在庫で抱えていた320GBのHDDがあることを伝えると、
それでも良いと返事をいただいたので、それに換装することに。
換装後、念のためハードウェアチェックをすると、問題ないと表示された。

なんとなく、空のHDDが入っている状況で起動したときのこと。
普通、「Operating System Not Found」で停止するはずが、「Intel UNDI , PXE-2.1」
と出てきて停止していた。
どうやらネットワークブートがEnabledになっているようだ。
当然、ネットワークブートの設定なんてしていないから、BIOSに入り、Disabledにした。
すると、今度はちゃんと
Operating System Not Foundで停止してくれた。

翌日、ディスク類を渡してくれと連絡すると、渡されたのはNortonとOfficeの
インストールディスクだけだった。
「ほかには?」と聞くと、「これだけ」との返事が返ってきた。

え、まさか。D to Dなのか?」そう思った私は、急いでリカバリの手順を
取扱説明書で探した。
D to Dだった。

<D to Dとは>
Disk to Diskの略。リカバリをするときに、CDやDVDのように、目に見える形で
提供されるリカバリディスクを使わず、PCのHDDの特殊な領域(隠しパーティション
に、リカバリする為のデータを格納しておき、それをリカバリに使用する方法。
すなわち、ほかのメディアを使わず、同じHDD内でのリカバリをすることなので、
Disk to Diskと呼ばれる。



「どうしよう。これでは修理できない。」それしか思い浮かばなかった。

いろいろ検索していると、リカバリディスクを購入できることが分かった。
今回はそれを購入し、対処することに。

数日後、リカバリディスクが届いた。
さっそく、富士通お決まりの「トラブル解決ナビ」ディスクを実行。

リカバリ・・・と言いたいところだが、HDDにはリカバリデータは入ってないので
(そもそもフォーマットしてない)、HDDの領域を再設定して、全ドライブをリカバリ
するという手順になる。

と思ったら、なんと最初にリカバリディスクセットの確認が入るのである。
しかも、全6枚分の。正直、有難迷惑だ。

ディスク6枚を1枚ずつ挿入して確認・・・

やっと終わり、領域の再設定へ。
最後の確認が、ソフトウェアディスク2の確認だったので、
領域の設定には、「トラブル解決ナビ」ディスクに戻す必要がある。

ディスクを入れ替えて、画面にはこのような表示が出現。

どうやらこれが既定の設定値のようだ。ちょうど半分に切っている。
まあ別に、ここにこだわる必要はまったくないので、「変更しない(推奨)」
を選択。

領域設定が終わると、いよいよリカバリが開始された。

どうやら、リカバリディスクのデータをHDDのリカバリ領域にコピーしてから、
Windows本体のリカバリに入るようになっているようだ。
ここにも、D to Dの影響が現れている。
そう思ってるうちに、リカバリが終了した。

OKを押して、再起動。

再起動後、しばらく待っていると、とうとうあの画面が。

リカバリ成功のようだ。
いつものようにセットアップを行い、最終処理が終わると、

ようこそ画面が出現。そして、修理受け入れから約5日ぶりに、
(依頼者にとっては約1カ月ぶりに)、デスクトップが表示された。

同時に、ハードウェア診断、保証書の表示が行われた。

ちょっと成功の余韻に浸っていると、これまた富士通お決まりの、
「必ず実行してください」がでてきた。

私はこれが富士通で一番嫌いだ。
なんだか決まりきったレールの上を走らされている気がして。

まあ、起動しないとこのソフトは起動するたびにアラートを出してきて目障りなので、
とりあえず、起動だけして、すぐさま閉じて、速攻でアンインストール。
これ、「いくつかの機能が使用できません」って書いてあるんだけど、
これを使わなくても機能を使用することはできるので、これを使ったのは
私がまだ従順だったころ(2007年ぐらいだっただろうか)しかない。

不要なものを消し、セキュリティソフトやOffice、メールソフトの設定、
Windows Updateなどを行い、一通りの修理は完了。

クリーンアップやデフラグ、バッテリの充電、本体のクリーニングを行い、
依頼者に納品した。

なんとか直って良かったと思う。最近はコスト削減の流れでリカバリディスク
をD to Dにするケースが多い。
リカバリディスクがあれば、HDDが壊れた時でも、HDDを交換することさえ
できれば修理は可能なのである。しかも、ほとんどのPCはHDDの交換は
容易になっている。(保証は効かないが)
しかし、一般ユーザーにとっては、PCが壊れた=新しいPCを買わなきゃ
という認識があるだろう。もしくは、高い金払ってメーカーに修理依頼をするか。

その原因がHDDだった場合、リカバリディスクと交換用のHDDさえあれば、
わざわざPCを買う必要も、修理を依頼する必要もないのだ。


ちょっと現状に苦言を申し上げたわけだが、これは富士通だけではない。
ほかのメーカーにとっても同じことだ。

この件については、Wikipediaにも、「リカバリー領域」という項目で
取り上げられているので、気になる人は見てほしい。

この話は政治のようにジャーナリズムがあるものではないが、似た性質が ある。

それは「正しい情報は自分で探して分析しないと絶対に入手できない
ということだ。


PCは突然壊れることが多い。しかも、自分では意識しないうちに。
データのバックアップをするのはもう何年も前から言われているが、
D to DのPCを使っている人は、リカバリ領域をDVDとかに書き込んでおくと、
HDDの故障時に役に立つだろう。